『W societyプロジェクト』プロジェクトメンバー3名が実際にAMH検査※を受ける
〜40代スタッフCさん編〜
Aさん(20代)、Bさん(30代)、Cさん(40代)の3名のプロジェクトメンバーがAMH検査※を受けて、“今の自分自身を知る”ことに。ライターmiyukiの第五歩、第六歩では、Aさん(20代)、Bさん(30代)のAMH検査を受け結果が出るまでの“リアルな声”をお届けしました。
AMH検査のことを知ってもらうことで、「人生はいろんな選択肢があって、個性豊かに私らしくハッピーな将来を迎えられる」というメッセージが若い世代の心に届いてくれたら嬉しいと思っています。
今回紹介するのは、スタッフCさん(40代)1児の母。体験記シリーズ最終回として、記事の最後には裏話も…!『未来を選択するのはこれからも”わたし自身”でありたい』。カラダのこと、キャリアのこと、社会のこと、みなさんと一緒に考えるライターmiyukiの第七歩目の連載です.。o○
「AMH検査」の結果を聞く。40代スタッフCさん編
先生:検査の結果、「AMH」の値は1.57です。
平均値より少し上だから、悪くない値ですよ。たまごの量が多いということは、良いことですが、「質」も関係してきます。「質」は年齢とともに低下していくので、絶対に子どもが欲しいと思っているなら、すぐに体外受精をしたほうがいいです。でも子どもがいたらいいな?と言う気持ちならタイミング療養で様子を見ていいと思いますよ。40代って、ちょうど妊娠率が低下して流産率が上がってきます。そのクロスポイントが妊娠におけるタイムリミット的な根拠になるかなと思いますね。
AMH値をきいて、どんな心境でしたか?
ーまだ、子どもを産めるかもしれない
職業柄、不摂生な生活を長く送っている私は、たまごの数はだいぶ少ないと予想していました。食事も夜だけの日もあれば、今日水分取ったかな?と思う日もあるし、自分の体を自分自身で痛めつけていることに罪悪感を感じるほど、良くない生活の日々で…
それが、AMH検査の結果を聞いてびっくり。平均値より上!?これって、まだ子どもを産めるかもしれない…ってこと?
逸る気持ちというより、可能性があることに驚いた私。きっと旦那は欲しいと言うだろうな〜。でも、私の性格を知っているから「欲しい」という言葉はきっと使わないだろうな。さまざまな思いが巡りました。
1児の母として、もう1人欲しい?
私には5歳の娘が1人いて、毎日慌ただしい生活に子どももガッツで食らいついています(笑)。もう1人欲しいか?と自問自答した時に、ふと出産の時を思い出しました。
振り返ると、出産の時は分娩台に乗ってから17時間かかり、出産後は大量の出血で「ピンポン、ピンポン」というやばそうなアラーム音が響いていて、貧血で入院する日々からスタートした子どもとの生活。
頼みの綱である母は、私が妊娠5ヶ月の時に天国に旅立ってしまい、近しい人に頼ることができなかったことや、産まれたての子どもを1人でみなきゃいけないという責任感でいっぱいいっぱいになり、今思えば産後うつ状態になっていたと思います。それでも、2時間おきの授乳タイムは定期的にくるし、自分もご飯を食べなきゃいけない…。
今の生活もギリギリ何とかやり過ごしているのに、もう1人なんて考えられないな…と思っていた矢先、「保育園でさ、みんなには兄弟がいるのに、なんで私にはいないの?」思いがけない問いかけがありました。小さな声で「妹が欲しいんだ…」と。ママに言ったら怒られるんじゃないかな?そんな表情をしながら、勇気を振り絞って話してくれました。
娘の思い、旦那の思い、そして私の思い…迷っている時間はないけれど、じっくりと話し合わなければ!
妊活を具体的に考えたとき、タイミング療法。想像以上にハードルが高い!?
タイミングで妊娠を…と言っても実際のところ結婚生活が長くなったり、年齢を重ねることで性交渉もだいぶ減るはず(もちろん個人差ありますが)。日本では、セックスレスについての話題がタブー視されがちだけど、私の周りでは日常的にその話題について話しています。「忙しい、眠い、疲れてる」だいたいこの三拍子でレスになっていくんじゃないかな。意外とこの悩みも深いし、私もこのセンシティブな部分を前向きに改善していかなきゃいけないな〜。
頭の中でグルグルするのは、キャリアと子どもの両立
きっと、満足してキャリアと子育てを楽しんでいる人は少ないと思う。でも、少ないというだけで両立を楽しんでいる人は実際にいる訳で…。
医療、不動産など経てようやくライター、エディターという仕事に就いた私はこの仕事が大好きで、自分でOFFの日を決めないといつまでも仕事を続けてしまう人間。そんな、私が仕事と距離を置いて大丈夫かな?
何が大丈夫かというと、イライラをそのまま子どもにぶつけないかな?ってこと。好きな仕事をしていてもストレスはつきまとうから、そのイライラ全部をぶつけてしまいそうで怖いなって。正直、娘を産んだ時もイライラはあったけれど、年齢を重ねホルモンバランスも変わってきてたことで、以前の自分とはまるで別人のようにイラついているし(笑)。そう、この前初めて滝のような汗が出てきて…きっとホットフラッシュだと思う。穏やかだった自分は一体どこに行ってしまったのかな??そんなことを思うと体力的にも「もう1人」という選択が、なかなかできない…。
こんな悩みを持っている方いませんか?
人生を大きく左右する時期に、自分自身が子どもが欲しいかどうかを選択できないでいる…悶々としています。
後悔ってなんだろう?
私の大好きな先輩たちは、子どもがいても、いなくてもハッピーにエネルギッシュに過ごしている。不妊治療を何年も続けている人も、2人の生活を選んで楽しく過ごしている人も、沢山の子どもに囲まれて過ごしている人も、皆暖かくて「こんな大人になりたい」と思う人ばかり。そんな素敵な人たちといると、私の頭でグルグルしている「キャリア」の問題は、大きな問題じゃないのでは?と思うことも。でも自分の置かれている環境を考えると子どもを持ちながら「キャリア」を伸ばしていくことは難しいなと思ったり。
後悔しないようにと考えれば考えるほど、ドン詰まりに…気が付けばAMH検査から半年。娘の思い、旦那の思い、そして私の思い。もう、時間がない。
20代の時にAMHを知っていたら人生は変わっていたのかも
このプロジェクトに参加するようになってから、よく「若い頃にAMH検査を知っていたら」と言う話をしている。自分が「不妊」に当てはまると知らずにタイミング療法だけで5年ぐらい過ごし、その後に産婦人科を受診してAMH検査。もう少し早かったら値が良かったかもしれない…とか。
私の場合、若い頃から結婚や子どもに対してあまり積極的な感じではなかった。20代の時にAMH検査を知っていたら、さらに、卵子凍結を知っていたなら、絶対に卵子を凍結していたと思う。そうすれば『W societyプロジェクト』が推奨しているように、自分自身のライフプランを立てられるし、心にも余裕ができて安心して仕事も子ども両方叶えられるから。
40代、これからのAMH検査
AMH検査は、不妊治療で産婦人科を訪れた人にしか知られていないような存在でした。
もともと医療従事者であった私でもこのプロジェクトで初めて知るほど、認知度はまだまだ低い検査だった。けれど、このプロジェクトを通しAMH検査を知った今、30代後半、40代の方で少しでも子どもをと考えているなら、今日にでもAMH検査を受けて“自分自身の今”を知り、私が今迷い答えを導き出そうとしているように、次のステップにどう進むのかを考えてもらえたら嬉しいです。
病気を患った方がAMH検査を受け卵子凍結を考えるのはもちろんのこと、この検査を知ることで女性が自分自身の将来のために「ハッピーな未来予想図を描く」、そんな時代が近づいていると感じています。女性が輝く日々を過ごせるように、もっともっとたくさんの情報を発信していきますね.。o○
※AMH(抗ミュラー管ホルモン)検査: 卵巣の予備能(卵巣の中に残っている卵胞の数の目安)を反映する血液検査
ライターmiyuki